【コラム】降水量と水害
写真:伊豆市(GUブロック)
昨今の天候で急な雨天に見舞われる事が多くなったのは、皆様も体感として感じているかと思います。
実際、観測データとしてはどうなっているのでしょうか?
気象庁では”降水量50mm”を”非常に激しい雨”として、全国(アメダス)の「1時間降水量50mm以上の年間発生回数」を資料としてインターネットに掲載しています。
このデータの観測地点は1300地点あり、その地点での発生回数を計測しています。
その資料によると、なんと
統計期間 最初の1976~1985年が平均226回
最近の2012~2021年が平均327回
最初の10年と最近の10年を比較すると約1.44倍も増加しているそうです!
体感だけでなく、実際のデータとして出るとその凄さがわかりますね。
そして今後 世界的な気温上昇も相まって、より増加する懸念があります。
写真:福井県(GUブロック)
このような豪雨が発生すると、問題になるのが水害の被害です。
平成22年~令和元年(西暦2010年~2019)の10年間で、約98%の市町村で水害・土砂災害が発生しました。
国土交通省がまとめた「令和元年水害統計調査」
水害原因別被害 水害原因別一般資産等被害額及び公益事業等被害額によると
破堤 19.1%
有堤部溢水 39.9%
無堤部溢水 6.7%
となっており、これら3つを合わせて河川の氾濫(洪水)は65.7%にもなります。
また、次いで多いのは内水 28.2% になります。
内水:堤防の内(生活エリア側)のマンホール等の下水道からの氾濫=内水氾濫
これに対して
外水:堤防の外(河川側)からの水の氾濫=外水氾濫
という言葉もあります。
外水氾濫は洪水と同じとされる事もありますが、
洪水:堤防を含む河川全般からの氾濫
外水氾濫:堤防からの氾濫 という違いがあります。
つまり、洪水の区分の中に外水氾濫(+内水氾濫)が含まれています。
写真:伊豆市(GUブロック)
写真:可児市(GUブロック)
増加する降水量とそれに伴う水害、予想できる被害は様々です。
いつ来るかも予想しにくい豪雨災害から多くの人を守るには、被災地の拡大を防ぎ、避難できる環境を事前に備えておく事。
被災してしまった際、多くの人を支えるために 早期復旧工事が重要となります。
丸治コンクリート工業所では、水害・洪水等の河川災害・土砂災害のへ対策できる製品を複数取り扱っています。
GUブロック(置式ガードレール基礎)
国土交通省 NETIS KT-160028-VE
曲線にもできる自由な施工性と、たわみ性防護柵としての機能を両立。
幅広い場面で活躍するガードレール基礎ブロックです。
その実力は、実際に被災する事で証明する形になりました。
平成30年(2018年)7月、西日本大豪雨にて福岡県朝倉地区災害復旧現場が再度被災。GUブロックが土砂流の被害を受けました。
しかし強固な連結構造で一部が中空に浮きながらも土砂流に耐え、道沿いの河川へ土砂が入るのを防ぎました。
現場からは
「金具がブロックを引き寄せている緊張度がよく判る」
「1t近いブロックが連結状態で宙に浮くとは驚いた」
「置き式でよく持ちこたえた」
「川への土砂の流出が少なくてすんだ」
「トンパック(大型土嚢)の代わりになりそう」
「水抜き孔が大きく排水効果抜群」
等々、様々なご意見を頂きました!
■緊急復旧工事を大幅に繰り上げて完成
写真:国道41号(GUブロック)
平成30年(2018年)7月8日の豪雨被害により下呂市と高山市を結ぶ国道41号が崩落。
近隣住民の方々の生活や経済活動に大きな影響が出てしまった災害でもGUブロックは活躍しました。
早急な復旧が求められる中、GUブロックが約500mに亘る緊急工事に使用されました。
そして、復旧工事は仮設道路の完成予定の8月31日を大幅に繰り上げて8月17日に完成。
現場から「GUブロックは予想以上に施工がスムーズだった」とご好評の声を頂きました。
近隣住民からも、現場の施工者に対し応援や感謝のメッセージを頂くなどの温かい出来事もありました!
重力式ブロック 護岸嵩上工用
工期短縮と治水安全度の向上を両立しながら、河川護岸の嵩上げ工をプレキャスト化しました。
昨今の豪雨による急激な河川水位の増加に対し、護岸の嵩上げは有効な手段となります。
しかし今までは現場打などで対応していたため、護岸の嵩上げ工事は施工には時間が掛かっていました。
そこで丸治コンクリート工業所は河川護岸の嵩上げ工をプレキャスト化を実現。
工期を短縮しながら河川の氾濫を防ぐ製品を開発しました。
プロムナード(大型階段ブロック)
手順の多い階段施工をプレキャスト化した、標準品1個当り1m2の大型階段ブロックです。
スムーズに施工を進める事が出来るので、従来よりも短期間で高台への避難経路を確保できます。
また、想定される利用者に合わせて1割・1.5割・1.8割・2.0割の中から勾配を選択できます。
流レール蓋(高排水性 側溝蓋)
国土交通省 NETIS CB-180029-A
JIS Ⅰ類認証済
水の性質したコアンダ効果によって集排水能力を向上させた高排水性の側溝蓋です。
従来の側溝蓋よりも効率的に排水できるので、雨水が路面に溜まりにくくします。