【コラム】コンクリートの基礎知識

コンクリートとは

太古の構造物は石を加工して作っていました。

ですが皆さんがご想像できるように、欲しい形に石を加工するのはとても大変な作業です。

そこでコンクリートの出番となります。

コンクリートは石とほぼ同じ耐久性を持った材料でありながら、型さえあれば欲しい形に比較的簡単に成型できる材料なのです。

コンクリートの起源

コンクリートの起源は古代エジプトにまでさかのぼると言われています。

古代の遺跡の中には3500年前のコンクリート柱が現存すると言われています。

当時のコンクリートはセメントが開発されておりませんでしたので、石膏や粘土を混ぜて作りました。

コンクリートの寿命

コンクリートは石とほぼ同じ寿命(100年)と考えられてきました。

良い材料を適切に使用すれば実際に100年以上の耐久性を発揮します。

■100年コンクリート(北海道小樽港)

小樽港の防波堤はコンクリートのブロックを用いて造られた北防波堤と、コンクリートの箱を作り、これを沖合いまで浮かせて運んでから沈めるケーソン方式の南防波堤で構成されています。

北防波堤の方は11年の歳月をかけて1908年に完成しており、1280mの長さがあります。

コンクリートにとっては大変過酷な気象条件にあって、100年以上の耐久性を保っている大変貴重な実例です。

■100年コンクリート(京都山科)

橋の長さは7.3m、幅1.5mのアーチ型です。

コンクリートの厚さは約30cmありますが、欄干はなかったため現在では左右に転落防止用の柵が設置されています。

1903年築造橋の表面は当時のままで、異常は全くありません。

コンクリートの材料

コンクリートは主にセメント・水・砂・砂利・混和剤でつくります。

これら材料の良いものを使い、上手に練混ぜ、上手に使うと、良いコンクリートができます。

良いコンクリートとは

・扱い易い(ワーカビリティーが良い)
・強度が高い(必要な強度を満足している。)
・耐久性が高い(永く使える。)
・コストが安い

良いコンクリートができる条件

・配合をきめる(配合設計)
・適切に打ち込む(施工)
・適切に養生する(蒸気のかけ方)

コンクリートの材料を知る

・セメント ・水 ・砂/砂利 ・混和剤

1.セメント

他の材料の接着材。
砂や砂利をくっつけて形を保つはたらき。
主に石灰石から作られる。

石灰石などの原料を高温で燃やし、水分を除去して灰のような粉状のものを作ります。

水を与えると元の固体に戻ろうとする性質を利用してセメントが考案されました。

■セメントの性質

・湿気に弱い→セメントが悪くなると
1)強度が出なくなる。
2)固まるのに時間がかかるようになる。
3)軽くなってしまう。

2.砂(細骨材)・砂利(粗骨材)

・材料のうち一番たくさん使う。
・5mm以下のものを砂(細骨材)という。
・形の丸いもののほうが、良いコンクリートがつくれる。
・形や水分の含み方がコンクリートの出来栄えに影響する。
・採取する場所によって種類分けされます。

3.水

使ってはいけない水もある。
1)海水
コンクリートの中の鉄筋がさびてしまう。
2)たくさんの油・酸・アルカリはダメ

4.混和剤

・減水剤
少ない水でコンクリートを柔らかくするために使います。

セメントの粒子はイガイガの形をしていますので、その突起にくっついて滑りをよくするはたらきをします。

・AE剤
コンクリートの内部に細かい空気を入れるための薬です。

寒い地方に使う製品に利用します。

水とセメントの関係

コンクリートは水とセメントが反応して固まります。

たくさん水を使って作ったコンクリートは強度が低く、少しの水で作ったコンクリートは高い強度が出ます。

まとめ

コンクリートは天然の材料を原料にしてつくります。

材料の良し悪しや気温・湿度によって出来るものが違ってきます。

常に一定の状態を保つようにできれば最高ですが、これは大変難しいことです。

丸治コンクリート工業所はコンクリートのプロとして、良いもの・悪いものの
区別を身につけ、より良い製品を造るようレベルUPに努めています。